思索と妄想

石井和沙(いしいかずさ)/イサイシズカの雑記

宮崎正勝『「空間」から読み解く世界史:馬・航海・資本・電子』読了

世界史を、活動領域という観点から革新をもたらした要素―馬・航海・資本・電子―を主軸にして概覧した本。 

「空間」から読み解く世界史: 馬・航海・資本・電子 (新潮選書)

「空間」から読み解く世界史: 馬・航海・資本・電子 (新潮選書)

 

 僕にとってはわりと既知の観点だったので、新しい妄想の具材が見つからなかったのが残念。内容的にも、上記に掲げたテーマを深く掘り下げているわけでもなく、ざっくりと世界史を概覧しているだけなので、歴史をこれから学ぼうと思っている人に歴史の見方の一例を示してくれる入門的な本として考えるといいのかも。

ただ、ひとつ思うことはあって、もし電子に続く次の空間革命があるとしたら、それは間違いなく「宇宙」だろうなと。その辺の考え方は、地政学の分野で言うところのアストロポリティクスと重なるところがあるんじゃないかと思ったり。

積んでいてまだ未読だけどアストロポリティクスについて書いている本。

進化する地政学―陸、海、空そして宇宙へ (戦略と地政学)

進化する地政学―陸、海、空そして宇宙へ (戦略と地政学)

 

 現状の歴史の流れから考えれば、次の空間革命を制するのもたぶんアメリカなんだろうとは思うけど、仮に軌道エレベータが実用化して宇宙への輸送路が南半球地域に優位になっていくなら、途上国にもこれから覇権に挑戦するチャンスはいくらでも出てきそうな気はする。