思索と妄想

石井和沙(いしいかずさ)/イサイシズカの雑記

防備録

軌道ステーションの内部構造を考えるために無重力空間での建築について調べている。
ビジュアル的には分厚い金属の骨格と外壁に覆われたスタイリッシュな空間を妄想するのだけど、調べれば調べるほどその手の幻想が本当にただの幻想に過ぎないのだなあということを思い知らされる。

近未来の宇宙建築を考える上では、何よりまず輸送コストから逆算して実現可能な手段を考える必要がある。これが月面や小惑星の資源をフル活用できて、地球からの資源輸送に頼らなくてもよいほどの未来の話なら、それほど建築手段が限られているわけでもないので、上に挙げたような分厚い金属の構造物だって可能にはなるだろう。
問題は、そういう時代の宇宙建築について考察している資料がどこにもない、ということで。

物語上の時代設定は人類の生存圏が月面にまで及んでいうという想定でいるので、文明史的には近未来より少し先の時代の話になっている。最終的には、例によってある程度割り切ってビジュアル優先で描くしかないんだなあ…。